忙しい人が多いようです。
仕事は増える一方なのに、人が足りない。
景気の悪いときはリストラで人が足らなくなるし、少し景気が上向いてきた今は仕事が多くて人が足りない(その前にやったリストラの影響も残っています)。
しかし、忙しいからといって、ずっとがんばる必要はありません。むしろ、いつもがんばってはいけません。
なぜなら……
「緊急ではないが重要なこと」をやらないとジリ貧
ここでは、「がんばる」ということを、「忙しく立ち働いている」こととします。つまり、重要か重要でないかに関わらず「緊急」と思われることに一生懸命な状態です。
下の図でいえば、①または③の領域を処理している状態です。緊急のことが続くから頑張らなければいけません。
しかし、世の中そんなに緊急のことばかりなのでしょうか?
おそらく、通常の仕事については、時間内に終わるように計画されているはずです(そこが多すぎるという方もいるのでしょうが)。
時間が足りなくなるのは、トラブルやクレームあるいは問い合わせ等の突発事項が発生するからではないですか。つまり、図の③が多いのです。
なぜ③が多くなるかというと、トラブルやクレームの未然予防、問い合わせを減らすための文書整備や教育など、「②重要だが緊急でない」領域を処理していないからです。
忙しくてそんな暇はないという気持ちは僕も良く分かりますが、②をやらないと③が増える一方で、さらに③が増えていく悪循環に陥り、ジリ貧になってしまいます。
どこかで断ち切らないといけません。
ちなみに④は全部捨ててくださいね。④を処理する暇があれば、②が漏れていないか探しましょう。
売れないときにがんばってもムダ
あなたが技術者であれば、②の時間は無理にでも作るべきです。毎朝1時間を②に充てる。楽になるまでは、早朝出勤してでも充てる。そのぐらいしないと楽にならないかもしれません。
あなたが、経営者・店長・営業パーソンだったら、もっと簡単に時間が取れます。
それは、売れないときにがんばらないで、その時間を②に充ててしまうという方法です。
業績を上げている人たちは、実際にこのようにしています。
どんな商品・サービスでも、売上が上がらない時間帯などがあるはずです。
もう少し正確にいえば、集客ができない時間帯です。
2月8月は売れないとか、昼の3時頃は暇だとか、そういう時間帯があるはずです。
ピークだと1時間に100人、暇なときは1時間に10人お客が来る店があったとします。
凡庸な人は、10人を20人、30人にしようとがんばります。伸びしろが大きいので、努力のしがいがあると思うのですね。
一方、優秀な人は100人を110人、120人にしようとがんばります。10人の時間帯は、がんばりません(ただし、この時間帯に来てくれるお客は上得意客が多いので、接客は一生懸命やります)。
増客数で考えれば同じです。しかし、10人を20人、30人に増やすのは、それぞれ100%、200%アップです。かなりのストレッチ目標です。そもそも人が来ない時間帯に実現しようと思えば、相当がんばらないと難しいでしょう。
一方、100人を110人、120人に増やすのは、それぞれ10%、20%アップです。人が集まる時間帯にやるのであれば、それほど大変な目標ではありません。
売れないときに、重要だが緊急でないことをやる
もう1つ比較してほしいのは、がんばっている時間帯です。凡庸な人は、10人のときも100人のときもがんばっているわけですから、ずっとがんばっています。
一方、優秀な人は、10人のときにはがんばりません。ここで時間ができます。
もうお分かりと思いますが、優秀な人はこの売れない時間帯に、②の領域を処理するのです。
そのためには、売れる時間帯と売れない時間帯を正確に把握している必要があります。
これは、2・8とか木曜日とか大雑把な指標では済みません。天候・気温・曜日など様々な要素が組み合わさって決まるものですから、そのようなデータを正確に集めておいて、今日の何時頃は暇だとわかったら、バッサリと切り替えます。
重要なことは、最初にデータを取ること。そのデータを見て、がんばる時間帯とがんばらない時間帯を明確にすること。まずは、これから始めてください。
これは店長であれば、今日は売れるとわかったら急遽バイトを追加して機会損失しないようにするなどの、店舗オペレーションの高度化にもつながる大切なことです。