質問というのはなかなか難しいと聞きますが、取材の質問で僕はあまり苦労したことがありません。
このように言うと、僕が社交的で、質問上手のように聞こえるでしょうが、交流会等で初対面の人に何を聞けばいいのかには、いつも苦労します。いい質問が見つからずに、その相手とは何も話さずに終わってしまうこともしばしばです。
では、なぜ取材では、質問で苦労しないのでしょうか?
質問は事前に準備する
答えを聞けば、「何だ。そんなことか」と思うようなことです。
それは、事前に質問を準備しているからです。
たぶん、交流会等で会話が弾む人は、鉄板の質問集を持っているのだと思います。僕は、交流会に行ってから、また事前に質問を考えておかなかったと後悔するのですが、まあ、そのような機会もあまりない(あまり作らないようにしている)ので、すぐにその後悔を忘れてしまいます。
質問はアウトプット志向で
前々回で、質問内容についてお話ししました。
事例取材の際に聞くべきことは10個あり、新規開拓のための調査なら最小限そのうちの2つ(時間があればもう1つ)を聞きましょうという話でした。
このような質問内容はどのように作るかと言うと、アウトプットから逆算します。つまり、事例記事の構成があって、それをベースに質問を考えるのだということになります。
新規開拓のための調査以外でもお客様にヒアリングする場面はあろうかと思います。そのときには、アウトプットをまず考えてから(会社から与えられているのならそれをベースに)、質問内容を考えてみてください。
事前に作った質問は事前に送っておく
せっかく事前に質問を作ったわけですから、それは取材相手に事前に送っておくといいでしょう。
雑誌の取材なら、相手に準備の時間を与えないことで本音を聞き出すということもあるかもしれませんが、事例取材や、今回のようなマーケティングのための調査であれば、逆に準備してもらったほうがいいでしょう。
冒頭で、「取材の質問で僕はあまり苦労したことがありません」と書きましたが、これは殆どの場合、事前に質問内容をメールしているからなのです。
取材の際に録音させてもらうことがあります。その音源を聞くと、僕が殆ど質問していないことが分かると思います。
僕がしていることは、ほぼ以下の3つだけです。
- 事前にメールしていた質問をする
- 聞き取れなかった単語を聞き返す
- 要所々々で、それまでのまとめをして、理解できているかを確認する
よく矢継ぎ早に質問をする人がいますが、これは相手にとっては「尋問」のように受け取られる怖れがあります。
できるだけ相手にずっと話してもらって、こちらは頷きながら聞いているだけという状態がベストです。
そのような状況に持っていくために重要なことが、前回お話ししたアイスブレークと、今回の質問の事前配布なのです。
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