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営業にとって文章を書くことは必須の時代になりました。

企業がコピーライターを外注するのを止めて、内部で商品コピーを書かせるという動きが広がっているのだそうです。

そうなると、当然商品を一番よく知っていて、顧客とも接点のある人――つまり、営業パーソンがコピーを書くという場面が今後どんどん増えることでしょう。

さて、自分が書く分には何とかなりそうだが、部下に書かせるとなると大変だという営業マネージャーも多いのではないでしょうか?

そういう方のために、部下の文章力を鍛える方法をお伝えしましょう。

なお、この方法は何も営業パーソンに限った話ではなく、たとえばお子さんの国語力を鍛えるのにも役立つと思います。

●そもそもなぜ文章が書けないのか?

具体的な方法に入る前に、そもそもなぜ文章が書けないのかということについて考えてみたいと思います。

大きく2つの理由があります。とても当たり前の理由です。

1つは、読書量が足りない。読んでいないので、書き言葉が分からないということです。

これは、英作文をすることを考えてもらえればいいと思います。普段、英語の文章を読んでいない人は、自分の書いている英文に自信が持てないのではないでしょうか?

聞いたことない人が話せないのと同様、読んだことがない人は書けません。何でもインプットが先ですよね?

●泳いだことがなければ泳げない

もう1つは、執筆量が足りない。書き慣れていないので、上手に書けないということです。

水泳の本をいくら読んでも、実際に泳がないと泳げなくならないというのとまったく同じです。

2つとも、ここに書くのも恐縮なぐらい当たり前の話です。しかし、多くのマネージャーは、こんな当たり前のことをすっかり忘れています。部下の文章がひどいと真っ赤に直すだけ。それでも直らないと、さじを投げます。

そうではなく、長い目でみて、読書量と執筆量を増やす習慣を身に着けさせない限り、ひどい文章を書く部下の文章力は向上しません。

●書写という方法もあるが……

そこで巷で推奨されるのが、「書写」と方法です。要するに本1冊を丸写しさせる、と言った方法です。多くの文豪がこの方法で文章力を鍛えたと言っています。最近の作家では、浅田次郎さんがこの方法で上達したと語っておられました。

これは理に適っています。なぜなら実施することで、読書量も執筆量も大いに増えるからです。

しかし、これができる人がどれだけいるというのでしょうか? こんな大変なことを毎日続けられる人は、それこそ作家志望の人なのではないでしょうか? 一般の人にこれを続けるモチベーションがあるとは、僕にはどうも思えないのです。

そこで、もっと楽だけど、でも効果の高い方法をお伝えします。

●個条書きで一石三鳥?

丸写しではなく、個条書きで要約させるという方法です。

エッセイ集のような軽い読み物がいいでしょう。1日1本のエッセイを、個条書きで要約させます。パラグラフ1つで●1個ぐらい、だいたい40文字以内に要約するという感じがいいと思います。

要約というのは、仕事の至るところで出て来る作業です。営業パーソンなら、お客様の発言を的確に要約して、都度確認するということができれば、お客様からの信頼度はグッとアップするのではないでしょうか?

個条書きさせることで、この要約力もアップする(そして要約力のアップは、読解力のアップとイコールです)、一石で二鳥も三鳥も期待できる方法ではないでしょうか?

部下にやらせるからには、必ず添削しなければいけません。そうなるとマネージャーのあなたも結局同じことをすることになり、自分自身の文章力もブラッシュアップすることができます。

でも何よりもいいのは、部下と同じ本を読むことで共通の話題ができ、人間関係がスムーズになることかもしれませんね。