2018年3月23日(金) 晴れ 76.1 2305

※猫の遺体の写真があります。綺麗に飾ってはいますが苦手な方はここで閉じてください。

早朝、妻に起こされた。夜遊びの余韻で頭痛がしていたのだが、コナツの様子が変だというので飛び起きる。

動物病院に電話したが、留守電。夜間診療は夜の11時までとのこと。

もはや虫の息で、このまま息絶えていくのは明らかだった。でも、二人で必死にコナツをさする。

20分ぐらいそうしていたのだろうか。口から透明なネバネバの液体を吐き、背中を反らし、尻尾を反らして、呼吸が止まった。

5時20分ぐらい。時計など見る余裕がなかったので、正確な時刻は分からない。

涙と鼻水が止まらない。

 

コナツは、ちょうど1年前ぐらいに急激に体重が減り、慢性的な下痢をするようになった。それ以来、約1年間通院してきた。

体重はしばらくは安定し、お腹も治ったのだが、夏頃から今度はひどい皮膚病になった。毎日3回、消毒液を体中に塗布してきた。

体重の減少傾向が続き、今年2月頃からまた急激に減り始める。3月まで持つかなと思ったのだが、栄養点滴でちょっと元気になり、体重も50gほど増えたことこともあった。それで諦めずにケアと通院を続けてきた。

食欲はあるし(だが、ちょっと食べたら満腹になった)、昨日まではよろよろだが歩いていたので、まだ望みを捨ててはいなかった。

だが、今朝になって様態が急変。あっという間に旅立っていったのだった。

 

8時過ぎに病院に電話して、コナツが死んだと告げたら、主治医である院長が出勤するのが9時頃なので、その頃に来てほしいと言われた。

9時ちょっと過ぎに病院に着くと、院長とスタッフ1人が向かえてくれた。外が見えない場所だったので、たぶん10分ぐらい立っていたのだろう。申し訳ない気持ちだった。

すぐにカラダをきれいにし始めてくれた。30分ぐらいかかった。かなりカラダが傷んでいたのだろう。

 

コナツの棺を作り、中を飾るために買い物をした。妻が一生懸命、棺と祭壇を作った。お姫様のように綺麗になった。

僕は、線香と水とエサを供えた。

コナツは2008年の夏頃に、近所の居酒屋からもらってきた。コユキをもらったのと同じ店だ。今はもうない。

2ヵ月半ぐらいのときにもらったので、10歳になる前に死んだことになる。短命だった。佳人薄命。

綺麗なメスの三毛猫で、僕ら夫婦は一目惚れして、連れて帰ったのだった。半分野良猫だったのだが、そうとは信じられないほど美しい猫だった。最後の半年ぐらいは、皮膚病でみすぼらしくなってしまったけど、それでも可愛い猫だった。

最後の最後に美しく飾れてやれて、本当に良かった。

あちらでコジローと仲良くやってくれよ。おまえはコジローにはひどいことばかりしていたけど(笑)、コジローはおまえのことが好きだったみたいだから、きっと歓迎してくれる。だから真っ先に会いに行けよ。

 

妻は仕事が忙しく、午後から出勤した。

僕は、奇跡的に仕事の隙間だった。月曜日に1本締め切りがあるが、それは日曜と月曜にやれば間に合う量。

コナツは今朝まで死ぬのを待ってくれたとしか思えないタイミングだった。

なので、スーパーで適当につまみを買ってきて、コナツの供養を始める。どうせ仕事など手に付かない。

コナツが生前、ツナ缶が好きだったことを思い出し、お供えに加えた。

家のどこにいても、ツナ缶を開ける音がすると飛んできたのだった。カラダに悪いからほんの一欠片を僕の口に含んで、油と塩分を除いてから食べさせた。最後の頃は、寄ってこないようにベランダで開けるようにしたものだった。

うちのペットたちはみんなカラダが弱いので、エサは病院で出すような安全なものばかり食べさせている。いろんなものを食べたがったが、基本的に我慢させてきた。

それなのに10歳にも満たないで死ぬと分かっていたのなら、もっと欲しいものを食べさせてやれば良かったと後悔する。

 

妻が早い時間に帰ってきたので、寿司をとって、一緒にお通夜をする。吸い物と酒肴はかろうじて作ったが、料理も作る気になれない。

早い時間に床についた。

コユキはコナツと大の仲良しだったのだが、さみしがっている様子もなく、いつも通りのペースで生きている。

感傷に浸るのは人間だけだ。人間以外の生き物は力強い。

僕は、今日一日花粉症のようだった。涙と鼻水が止まらなかった。

外出するときにハンカチやティッシュを持参するのを忘れてしまっていた。普段は携帯しているのに、肝心なときに必要なものがない。

花粉症の季節で良かった。愛猫が死んで、泣きじゃくっているようには見えなかっただろうから。