2014120201

昔、営業企画部という部門にいたときに、部長を兼任していた社長が嘆いていたのを思い出しました。

「せっかく客先に行く機会を作ってるのに、何でみんな嫌がるんやろなあ?」

社長は、某都銀の営業本部長だった人で、営業のイロハを知り尽くしていました。

「機会」とは、顧客満足度調査のことです。僕がいた会社では半期に1回、この調査を行っていました。僕は担当ではなかったのですが、営業企画部がとりまとめ部門だったので、生の調査票を見る機会がいくらでもありました。結構きついコメントもあります。

その頃は、社長のいうことが理解できず、「そりゃあお客に叱られに行くはいやだろうな」ぐらいに思っていました。

たしかに会社がくれた機会だった

その後僕は転職し、約1年間「売れない営業マン」を経験しました。

そもそも訪問先リストが貧弱な上、僕も営業が下手なものだから、あっという間にリストを食いつぶしてしまうのです。

パートナー営業ぐらいしか打開策はなかったのですが、同僚のトップ営業がそれで稼いでいたにも関わらず抗鬱剤を飲んでいたほどパートナー都合で動く営業でした。やっぱり自分で開拓したかったのですが、行き先がないのでは話にならない。

このとき確かに、顧客満足度調査とは会社が営業パーソンに与える訪問機会だと身に沁みて分かりました。

自分でやればいい

とはいえ、「売れない営業マン」時代の僕には、そもそも既存客もなかったので、顧客満足度調査もクソもないと諦めていました。

でも、辞めてから思ったのですが、自分で行けばよかったのです。もちろん担当営業の許可をもらってからになりますが(ただ、顧客満足度調査とは言わないほうがいいでしょう)、商談用の資料を作るために参考までに話を聞きに行きたいと言えばよかったのです(この辺、BtoCの営業には辛いかもしれません)。

当時の僕には、既存客が新規開拓のために有効な情報を持っているなどという概念もなかったし、どんな情報収集をしたらいいのかもよく分からなかったので、現実化しませんでしたが、今営業をやっているのなら真っ先にこれをやるでしょう。

既存客とのアポなら新人でもすぐ取れる

理由は何でもいいのです。

顧客満足度調査でなくても、「○○のために30分ほどお話を聞かせてください」の「○○」に当てはまる言葉を探せばいいだけです。必ず何かあります。

これはとても重要なことですが、深刻なトラブルでもない限り、既存のお客様とのアポなら新人でも簡単に取れるのです。だから、やらない手はない。

ましてや顧客満足度調査のようなオフィシャルな機会を逃すのは、本当にもったいない。

問題は、出かけて行って何をすれば、何を聞けばいいかですよね?

次回に続きます。