こんにちは。
ITに強いビジネスライターの森川滋之です。
今回から7回にわたって、
長い会社勤めを終えたあとに、
会社で身につけた様々な能力を活かして、
執筆業で月数万円から数十万円の収入を得たい方
に向けて、必要なスキルは何で、どのレベルまでが必要で、どうやって身につけるのかについてお話ししていきたいと思います。
内容としては、1万円程度の起業準備セミナーをフリーライター向けに特化したものに相当します。
改めて自己紹介をいたしますと、私は2005年にITコンサルタントとして独立し、その後、何とか再就職せずにフリーランスで生計を立ててきた者です。
執筆によって報酬を得た最初は2007年でしたが、以降も年収の3分の1以上は執筆で稼いできました。2014年夏以降はほぼ執筆一本で稼げるようになりました。
このようになれたのは、何冊もの本を読み、有料・無料のセミナーに数多く参加して、試行錯誤しながらスキルを身につけたからです。
しかし、それ自体は実はたいしたスキルではありません。何を身につければいいかがわかっていれば、私よりも短期間で身につけられる方も多いと思います。
一方で日々痛感していることは、専門的な知識を持ったフリーライターの不足です。たとえば私の専門分野はITです。ITの記事はネットに氾濫しており書籍もあります。これらを元ネタにして数千文字程度の記事を書くだけなら、できる人はたくさんいます。
しかしネットの記事には間違いも多いですし、文章が上手な人が書いているとは限らないので、内容が理解できないものもあります。こういったソースから、内容が正しく、読者にわかりやすい記事を再構成することができるライターとなると限られてきます。
ところが企業や出版社(Web媒体専業も含む)が求めているライターは、まさにこのようなライターなのです。このようなライターが今引っ張りだこになっています。
こういった話はITだけではないでしょう。メンタルヘルス、法人向け機器販売、自動車販売、家電販売など専門性が求められる領域であれば、みな同じです。
どうしてこんな状況になっているのでしょうか?
それは「コンテンツマーケティング」ということが言われるようになってきたからです。誤解をおそれず簡単にいえば、企業が自社のWebサイト内にオリジナルのコンテンツを大量に蓄積することがマーケティングにつながるという考え方です。
ただしコンテンツを並べておくだけでは役に立ちません。そのコンテンツを必要とする人に見つけてもらい、次のコンテンツを勧めて、最終的に購買してもらうように誘導する必要があります。
これが効率的にできるツール(マーケティングオートメーション)が普及し出してきたので、本格的にコンテンツマーケティングに乗り出す企業が増えてきたという背景があるのです。
今(2016年1月現在)は先進的な企業だけがコンテンツマーケティングに取り組んでいますが、これが普通になったときに、コンテンツを制作する人が大量に必要になります。企業が求めているコンテンツの大半は専門性の高いものです。
今でさえライターが足りません。このままでは将来はもっと不足することでしょう。
そこで、長い間の会社勤めで専門的な知識を持った人が、フリーライターのスキルを身につけてコンテンツ制作に携われるようになれば、その人も収入とやりがいを得ることができますし、企業も適正コストでコンテンツを獲得できるようになり、どちらにとっても利益になると考えました。
また私には「企業や個人のあまり知られていないが、すばらしいビジネス上の取り組みを世の中に紹介することで、日本を活性化することに貢献する」という理念がありますが、この実現のためにも、ライターを育成できればと考えています。
次回からのテーマは以下の通りです。すべて私自身の実践に基づいた、嘘偽りのない内容です。
1.コンテンツマーケティング時代のフリーライターの仕事と必要なスキル
2.製造力――専門性をわかりやすく伝える力
3.営業力――必要とするだけ仕事をもらえるようにする力
4.事務力――社会の一員であるために必要な力
5.経営力――自分をマネジメントする力
おわりに 今後のフォローについて