顧客満足度調査でも何でもいいので、理由を作って既存のお客様のところへ行って話を伺おうというところで前回は終わりました。
とはいえ、何を聞けばいいかというのは意外に知られていません。
何を聞けばいいのでしょうか?
事例制作で聞く項目
私は導入や購入の事例を書く仕事をしています。その取材でしたら、だいたい以下の項目をお尋ねしています。
- 会社または導入部門の概要
- 商品・サービスを現在どのように使っているか
- 購入前の課題は何か
- 購入先を知ったきっかけは
- 競合はあったか、あればいくつぐらいあったのか
- 選定のポイントは何か
- 購入先に決定した理由は何か
- 購入した効果は(定量、定性どちらも)
- 現在購入を検討している人へのアドバイスがあれば
- 購入先の評価および今後期待すること
選定ポイントと選択理由を聞く
50本以上の事例を書いていますので、何も見なくても上記10項目がスラスラ出てきましたが、全部覚えるのは大変でしょう。
それに、全部伺うと、だいたい1時間半は掛かります。通常せいぜい30分が限度でしょうから、絞って伺う必要があります。
- 会社または導入部門の概要
- 商品・サービスを現在どのように使っているか
この2つは、既存顧客の担当営業であれば、いまさら伺うのもはばかられることです。
- 購入前の課題は何か
- 購入先を知ったきっかけは
この2つも、知っているべきことではないでしょうか(本当に知らないのなら別の問題があります)。
- 競合はあったか、あればいくつぐらいあったのか
- 現在購入を検討している人へのアドバイスがあれば
この2つは、事例記事を書くときにはスパイスになりますが、それほど重要な話ではありません。
- 購入先の評価および今後期待すること
これは、最後に帰りの挨拶代わりに聞くといいでしょう。必須ではありませんが、次の商談のきっかけになるかもしれません。
だとすると、残り3つを聞けばいいということになりますが、この中で最も重要なのは何でしょうか?
それは、以下の2つです。この2つをしっかりと聞き出してください。
- 選定のポイントは何か
- 購入先に決定した理由は何か
効果はそれほど役に立たない
ほとんどの営業パーソンは、以下を聞きたがります。
- 購入した効果は(定量、定性どちらも)
他社へのPRになると思うからでしょう。しかし、僕自身経験があるのですが、これはあまり商談では役に立ちません。
もちろん、他社でこのような効果がありましたということをまとめたパンフレット類を作ってもいいのですが、自社の課題と結びつかないと大した反応が得られないのです。単機能な商品であれば効き目があるかもしれませんので、一概に言えませんが、僕は汎用的で企業によって使い方が違うような商品を扱っていたので、まったく効き目がありませんでした。
では、選定ポイントや決定理由は役に立つのでしょうか。
多くの販売元が知らない
実はこの2つは、ほとんどの販売元がよく知らないことなのです。
予想があって、それが当たっているケースはあります。でも、聞いたことがある会社はほとんどないというのが、僕が事例記事を50本以上書いて得た結論です。
なので、聞く価値があります。
選定ポイントは教えてくださらない会社もあるかもしれません。選定理由が機密事項になっている会社もあります。ただ、部分的には教えてもらえるので、ダメ元で聞いてみましょう。
決定理由は絶対に聞き逃さないでください。ここに、チャンスが潜んでいます。もし、競合他社に負けている商品であれば、なおさら聞き出してください。他社が買う理由になるかもしれません。
実際に、このことを調べて、わずか3本しか売れていなかった高額商品を、数カ月で100本以上売った人もいます。
自社商品がなぜ売れているのかを知っている会社は少なく、それを知ってアピールするだけで売れるケースは多いのです。
覚えるのはたった2項目。選定ポイントと決定理由。せいぜい付け加えて自社への期待の3つです。
3つなら30分もいただければ、かなり詳しく聞けると思います。頑張って、じっくり聞いてきてください。
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