2014121701

前回は、既存のお客様から絶対に聞き出したいことをお話ししました。

  • 選定のポイントは何か
  • 購入先に決定した理由は何か

以上と時間があれば、「自社の評価と今後の期待」についてもお伺いしようと申しました。

ただ、いきなり「選定のポイントは何でしたか?」と切り出しても、スムーズに話は聞けないでしょう。

毎週のようにお会いしているお客様ならそれでもいいかもしれませんが(というよりも、それだけお会いしている相手なら、用事のついでに質問してもいいと思います)、久しぶりの訪問なら、最初はお互い気まずい思いをしているはずです。

そこで、相手は既存のお客様であっても、きっちりとアイスブレークをしておくべきでしょう。

アイスブレークの話題は何がいい?

アイスブレークとは、「凍った相手の心を溶かす」という意味ですが、一般には雰囲気作りのための雑談のことです。

アイスブレークのために、雑学や時事ネタ、あるいは気の利いたジョークなどを仕入れている営業パーソンもいますが、相手が関心のないことだったり、ジョークで外してしまったりすると、余計に気まずくなります。

アイスブレークの狙いは、相手にリラックしてもらい、また口を滑らかにしてもらうことなので、一番のポイントは相手にしゃべってもらうように仕向けることなのです。

そうすると一番いいのは、お客様の業務に関係のあることや、お客様の会社に関する話題です。

私がある太陽光発電システムのためのソフトウェアを開発している会社の社長にインタビューしたときは、ちょうど電力会社が太陽光発電システムの登録を拒否するという事件があったので、「新聞ではかくかくしかじかと書いていますが、どうもよく理解できません。真相はどういうことなのでしょう?」というアイスブレークから入りました。

これは、時事ネタではありますが、相手の業務に関係があり、また相手もたぶん話したかったことだから良かったのです。この日の取材はスムーズに進みました。

ただ、このときは2時間のインタビュー時間をいただいていたので、相手の話が多少長くなっても構わないという事情がありました。30分ぐらいの取材であれば、あまり回答が長くなりそうな話題は避けるほうが無難です。

この例から分かるように、相手が先生・自分が生徒となれるような話題が、アイスブレークには一番効果的だと思います。であれば、趣味の話などでももちろん構いません。