プロのコピーライターでなくても、「広告文」を書く機会がある社会人は多数おられると思います。
IT企業や製造業の営業パーソンなら、セミナーや展示会にお客様を招待することがあるでしょう。この際に送るメールやDMは立派な「広告文」です。
私はSEマネジャーだったときに、年間の売上目標がありましたが、そうなるとエンジニアでも「広告文」を書いて、同様にセミナーなどに招待することになります。
あるいは、ITやサービス業など「商品」をビジュアルに示せない業種であれば、PRのために事例を書くケースがあります。ちょっとした営業ツールとしてA4-1枚ぐらいにまとめるのなら、社員で書くことも多いでしょう。これも立派な「広告文」です。
人事部にいたとしても、たとえば公開研修に社員を集めるためのメールを出すことがあるでしょう。これだって、立派な「広告文」だと言えます。
「広告」の目的は、「人を誘う」(すなわち集客)ということですから、「広告文」に無縁の社会人は、今後どんどん少なくなると思うのです。
そこで、多くの社会人の役に立つだろうと思い、この「広告文の書き方」というカテゴリーを立ち上げました。
集客について考えなおすことにした
さて、ビジネスライターとしてこのような告白はどうかなとも思うのですが、時々集客がうまくいかない時期があります。文章が悪いからということもたまにありますが、ほとんどの場合、他に何か大事なことを忘れているのです。
その大事なことは、事実を集めないと分かりません。頭で考えて分かることなら、そもそも悩まないのです。
ネットでの集客がうまくいかないのであれば、自分のサイトでどのようなことが起こっているかをまず知らないといけません。
そのためのツールとして、Google Analyticsというものがあります。
4年前ぐらいにはよく使っていたのですが、しばらく使わないうちに錆びついてしまいました。その間に新しい機能も追加されています。そこで、一から勉強し直そうと思って買ったのが、『無料でできる! 世界一やさしいGoogle Analytics アクセス解析入門』(以下、『入門』)です。
初心者なのがバレバレで恥ずかしいですが、急ぎで知りたいという事情もありました。実際に読んでみると、たしかに「世界一やさしい」のですが、内容はとても深い。これは名著です。感謝の意味も込めて、改めて書評を書こうと思っています。
さて、『入門』の中で真っ先にシェアしたいと思ったのが、「Ri-Turban’sの法則」です。
AIDMAに替わるもの
「Ri-Turban’sの法則」とは『入門』の著者である丸山耕二さんのオリジナルの概念です。ありがたいことに「別に商標などをとるつもりもないので、役に立ちそうであれば、自由に使ってくださってけっこうです」(『入門』より)とのことなので、今後使わせていただきます。
僕は、以前から広告文書の書き方を「AIDCA(アイドカ)」で説明してきました。間違いではありません。実際に成果も出ています。事例もあります。
ただ、正直完璧な説明ではないと思っていました。しっくりこない部分があるのです。
AIDCAはAIDMA(アイドマ)とほぼ一緒なので、よく知られているAIDMAで説明しましょう。AIDMAとは以下の頭文字を集めた言葉です(AIDCAの場合は、「Memory(記憶)」が「Conviction(確信)」に替わるだけです)。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
購買者は、この順番に商品・サービスを認知していくというもので、確かに納得感があります。で、実際にこの流れに従うだけでも、かなり効果の高い広告文が書けるのです。
ところが、成功した広告文を見ていると、必ずしもこの流れではないものも多いのです。特に、チラシのような省略が多いものでは、流れも何もないのです。でも、これらを満足しているような気がする。
長年モヤモヤしていました。それを「Ri-Turban’sの法則」は解消してくれたのです。まさにAIDMAに替わるものです。
Ri-Turban’sの法則とは
今回は、「Ri-Turban’sの法則」を簡単に紹介するに留めましょう。具体例は次回以降に示していきます。
Recognized(認識し)
Interest(興味を持ち)
Trust(信頼し)
Usability & User Experience(サイトが使いやすく、快適で)
Risk Hedges(リスクを避け)
Benefit(メリットを考慮し)
Affirmative(購買を肯定し)
Needs & Wants(必要、もしくは欲しいので申し込む)
Surprise(驚くような結果で満足度を得る)
Turbanはインド人が頭に巻くあのターバンです。「Ri」がなかなか覚えられないのですが、これさえ覚えてしまえば、あとは覚えやすい。「Ri」の部分は「AIDMA」の「AI」とほぼ一緒です。
『入門』の著者の丸山さんは、Turbanの部分は流れではなく、要素だと捉えているようです。僕も、そのほうがしっくりきます。この6つの要素が(『入門』ではHPですが)広告文にきちっと盛り込まれているかが重要ということです。
最後の、「Surprise(驚くような結果で満足を得る)」はちょっとしたアフターフォローだと言います。ちょっとした気遣いが重要なのだそうです。なるほど、そのような気遣いが僕にはかけていたかもと反省しました(余談になりました)。
詳細は、次回以降で! 引き続きよろしくお願いしますm(__)m