前回までで、「Ri-Turban’sの法則」のうち「R」と「i」の部分についてお話ししました。これは、広告文の外と先頭に存在しなければならないものです。

今回からは、「Turban」の部分についてお話ししていきます。これらは、特にこの順番でなくてもよく、要素として含んでいればよいというものです(ただし、効果的な順番はあります。これは「Ri-Turban’sの法則」とは別に、僕独自の「6ステップ広告作成術」に基づくものです。もちろん、「Ri-Turban’sの法則」とは矛盾せず、より効率的に活用するための方法論となっています)。

念のため、「Turban」を復習しておきましょう。


Trust(信頼し)

Usability & User Experience(サイトが使いやすく、快適で)

Risk Hedges(リスクを避け)

Benefit(メリットを考慮し)

Affirmative(購買を肯定し)

Needs & Wants(必要、もしくは欲しいので申し込む)


●「信頼」が一番大切なのに

2014082002人は信頼がなければ購入しません。ブラっと入った店でモノを買うときは、それはその店を信頼しているというよりも、買ったモノのメーカーや商品そのものを信頼しているからでしょう。

飲食店の場合は、「この店の出すものは間違いない」という信頼が、継続的にお客を呼ぶ要素になります。はじめて入る店なら、他に人が入っているかどうかを見ますよね? これも1つの信頼の指標です。

このように、購買や問い合わせなどに関しては、信頼こそが決め手になります。なので、販売コンサルタントは、まずはお客と信頼関係を作りなさいと口を酸っぱくして言うわけです。

では、信頼において一番重要な要素は何でしょうか?

それは、「客観性」です。

人の評判を聞く、人が集まっているのを見る、有名人の推薦を読む、などなどが客観的な判断基準です。これらに動かされて、自分自身で利用してみて、「なるほど」と思えばリピーターとなる。

これと真逆なのが、自己宣伝です。自社商品の良さを自分で語ってしまうのが、もっとも逆効果です。

しかし、これをやってしまう営業パーソンが多いように、自画自讃広告も同様に多いのです。

●「信頼」を得るためのコンテンツ

では、信頼を得るためにはどうしたらいいのでしょうか?

既にいくつか書きましたが、箇条書きしておきましょう。

  • 商品の効用の科学的根拠を載せる(できれば、権威に語ってもらう)
  • 実際に利用されていることをデータで示す
  • 「お客様の声」を載せる
  • 成功事例を載せる(客観的な第三者による取材ならなお良い)
  • 著名人の推薦文を載せる
  • マスコミに取り上げられたことを載せる
  • 著作やテレビ出演実績などを載せる
  • 過去の実績を載せる
  • 無料サンプルなどで実際に使ってもらう
  • アンケートなど評価結果を載せる
  • FAQ(よくある質問)で疑念を解消する
  • 理念を語る(理念に基づく実際の行動を記事として載せるとさらに良い)

以上は、HPやDMなどに盛り込むべき具体的なコンテンツです。

実はコンテンツよりももっと重要な要素があります。

●信頼は一度では得られない

それは、接触頻度です。人は見慣れているものには信頼感を抱くようになります。

なので、消費財メーカーはテレビCMをバンバン流すのです。

テレビCMは大企業の独壇場と思っているかもしれませんが、消費財、特に食品・飲食店チェーンなどは中堅企業と呼ばれる規模の会社でもかなり力を入れています。

もちろん、商品への「接触頻度」を擬似的に作りだすのが目的です。

営業パーソンも同じです。商品説明をせずにまずは通えと言われるのは、そのためです。ただし、これも最初に一方的に商品説明をするなどして顧客の不興を買ってしまうと、逆効果になります。「接触頻度」を上げることを第一に考えれば、初回訪問でのふるまいもまったく変わるはずです。

ネットマーケティングなどでもそうです。まずはメールマガジン(メルマガ)を購読してもらうというのが重要な戦略となっています。定期的にメルマガを送ると、何割かの人は定常的に読んでくれるようになります。

そういう人達の中に、また一定の割合で商品も買ってくれる人が表れます。

メルマガやニュースレターというものは、基本的には情報提供です。メルマガの場合、商品案内もしますが、「マガジン」と言われるように、そちらが主ではありません。どんな雑誌にも広告は載っていますが、それと同じ位置づけで、あくまで主体は情報提供です。

ニュースレターに至っては、基本的に商品案内はしません。定期的に送ることで、自社の存在を印象づけるのが目的です。

ネットマーケティングでもダイレクトマーケティングでも、成功している企業は、接触頻度を上げることを心がけています。それが最終的な「信頼」獲得につながるからです。