(大意)好調の時には、害が発生する。だから、うまく行っているうちに、うまく行かなくなったときのことを考えておきなさい。失敗したあとはかえって成功する。だから、思い通りに行かないときに、やたらに手放してはいけない。 |
「人間万事塞翁が馬」と似ているようですが、結構違います。
「塞翁が馬」は、良いことのあとには悪いことが起こるし、悪いことのあとには良いことがある、だからいちいち喜んだり悔やんだりしない、という心の持ちように関する故事だと言えます。
「恩裡由来生害」という『菜根譚』の教えは、うまく行っているときには悪くなったときに備え、うまく行かないときでも諦めずに続けるという行動指針だと言えます。
これは実感として分かります。
僕は、いい時期に悪い時期への備えをせずにきたので、大変な目に合っています。
また、ダメなときにいろいろなことに手を出してはすぐ諦めるというようなことを繰り返してきました。
本当にダメな人間だったと思います。
こんな僕でも生きていけるのは、パートナーや友人に恵まれたからと思います。恵まれるためには、僕なりの努力もありましたが、これは『菜根譚』の別の条で語る機会もあるでしょう。