今回は、「Ri-Turban’sの法則」の「n」について書きます。
「n」は「Needs & Wants」の略です。では、ニーズとウォンツはどう違うのでしょうか?
ニーズとウォンツ
実は、ニーズとウォンツの区別は結構難しいのです。そのため諸説あります。
たとえば、生活必需品のようにどうしても必要なものがニーズ、都会の人が自動車を所有するようになくても構わないが生活の質の向上のために求めるものがウォンツという人もいます。
これはこれで納得できる意見ですが、広告文などを書くためには、あまり意味のある区別とは言えません。
マーケティングの専門家の中には、このようにいう人がいます。
たとえば、お腹が減ったとします。では、何か食べ物を食べないといけない。このとき、食べ物に該当するのがニーズ。つまり漠然とした欲求です。
では、何が食べたいか。ラーメンなのか、ステーキなのか、ハンバーガーなのか。仮に、ハンバーガーだとしたら、マクドナルドなのか、モスバーガーなのか、それとも他の店なのか。マクドナルドだとしたら、チーズバーガーなのかビッグマックなのか……などなどがウォンツ。つまり、具体的な欲求です。
この区別であれば、広告文を書くのに役に立ちます。
ニーズを強化し、自社商品をウォンツさせる
ここまで書けばもうお分かりでしょう。
我々は、「Ri-Turban’sの法則」に基づき、ニーズを持つターゲットに「Recognized(認識)」してもらい、「Interest(興味を持つ)」してもらうように仕掛けてきました。
広告文に目を通している人たちは、そういう人たちです。であれば、この人たちのニーズを強化し、さらに自社商品をウォンツしてもらうように広告文を書けばいいわけです。
食欲、性欲、排泄欲などの人間の根源的欲求がニーズの場合は、いきなり自社商品の魅力を訴求しても構わないかもしれません。食欲だとしたら、「ジューシーなステーキの、焼けている音が聞こえてきそうな写真」があって、「本日に限り、30%オフ」などというコピーがあれば、それで十分です。
しかし、高度な欲求、言い換えると「あってもなくても構わないが、あったほうがいいと思われる」というようなニーズであれば、それを強化する必要があります。
- 放置しておいたらどういうことになるか
- 手を打った人がどのようなメリットを手に入れたか
などのことを、できるだけ五感に訴えかけるような文章で訴求します。そうすることでニーズが強化されます。
ニーズが強化されたら、自社製品の優位性を、事例や特長や競合商品との比較などで説明し、自社製品へのウォンツを喚起する。
よくできた広告を見てください。多くはこのような流れになっているはずです。