最近は、WordPressの普及でホームページ(HP)作りが楽になりました。
テンプレートが豊富で、無料のものでも結構”らしい”ページが作れます。僕のHPもWordPressと無料のテンプレートで作っています。無料でこれだけ作れる(ちなみに、自力で数日で作れました)のですから、数万円も出せば、かなり良いテンプレートが手に入るのではないでしょうか。
WordPressでHPの枠を作るからには(もちろんMovable TypeやJimboでも構いません)、コンテンツも基本的には自分で作ろうということでしょう。
でしたら、いろいろと知っておくべきことがあります。
今回は、その中でも特に重要と思われる話をしましょう。
アクセスが向上した理由
僕は、株式会社イワタという防水工事用のドレン(排水のための部品)を作っている会社のコンサルティングをしています。
「自分軸」を明確にし、理念に共感してくれる会社をファン化したいという社長の要望にお応えするために、いろいろな回り道もしましたが、徐々に成果も出てきました。
そのイワタさんで、一昨年にHPのアクセスが落ち込んだ時期がありました。Web担当者が体調を悪くしたのが大きな理由でした。しかし、何らかの手を打たなければなりません。
それで、敢行したのが顧客インタビューでした。
結果として、これがアクセス向上のきっかけとなりました。
その後、Web担当者が復帰してきて、彼の努力で昨年度は毎月のように前年同期比200%以上のネット売上を達成し、今年度に入ってもほとんどの月で前年同期比100%を超えるネット売上となっています。
そのWeb担当者氏も「あの顧客インタビューがあったので、とてもやりやすくなりました」と言ってくれたのです(もう、忘れているかもしれませんが(笑))。
理念だけではうまくいかない
イワタさんのHPに関しては、たくさんの試行錯誤を重ねて来ました。
現在はWordPressをベースにしていますが、以前はHTMLエディタでガリガリ作っていました。WordPressベースにコンテンツを置き換える際には専門業者にお願いしましたが、その業者選定の選定ポイントの検討をし、面談にも立ち会いました。
これで、HPの見映えが良くなったことは、かなり大きな効果をもたらしたと思います。
ネットアクセスを増やすという当初の目的には合わなかった試行もありました。
それは、「イワタドレン開発物語」というもの。それこそ、会社と製品の理念・こだわりを凝縮したコンテンツだと自負しているのですが(筆者は私です)、HPのアクセス向上にはあまり役に立ちませんでした(企業の信用を高めるためのコンテンツとしては役に立っていると思っています)
今は、原因がよく分かります。このコンテンツは「アイキャッチ」が不足していたのです。「Ri-Turban’sの法則」でいえば、「i」(Interest(興味を持ち))の部分です。
写真とキャプションが最重要
顧客インタビュー記事と「イワタドレン開発物語」を比較してもらえれば、すぐにわかると思います。
顧客インタビュー記事のほうは、写真が全体に明るい感じで目を引きます。サイズも大きい。そして、キャッチーなキャプションがついています。「よこ引きドレン」という言葉はターゲットは当然知っている言葉であり、また製品選定に苦労しているものです。それに対して「おぉー」と言っている職人がいる、どんなんだろう?と反応するわけです。
これに対して「イワタドレン開発物語」は内容も写真も地味です。アクセス向上には、ちょっと役に立ちそうもありません。じっくりと読みたいと思う人にしか響きません。ということは、イワタのことをもっと知りたいと思った人向けのコンテンツということです(その意味では成功しているのではないでしょうか?)。つまり、入り口ではないということです。
人が内容を読む基準
なぜ、少なくとも入り口では、写真とキャプションが重要なのでしょうか?
たとえば、床屋や歯医者の待ち時間など限られた時間で雑誌を読むときのことを考えてみてください。
多くの人は、雑誌をパラパラとめくって、写真が目に付けばそこでいったん手を止めるでしょう。そして、タイトルや写真のキャプションを見るでしょう。そのキャプションに興味をもてば、記事を読み始めます。
目次から入った場合も、やはり写真とキャプションを見る人が多いでしょう。
これは実験もされていて(具体的な実験名は思い出せないのですが)、たしか8割以上の人が、写真とキャプションに興味を持てば記事を読むという結果だったと思います。
あいまいで申し訳ありません。ただ、当時の僕はコンテンツ至上主義で、内容がよければ口コミで広まるはずだと思っていました。なので、その事実を知ったときの衝撃をずっと憶えているのです。
それ以来、下手くそながらも写真を疎かにしないようにし、写真のキャプションも真剣に考えるようになりました。
その成果が、この顧客インタビュー記事の成功だと言えます。
内容はいいし、ターゲットも絞れているのに、HPの反応がイマイチという方は、写真とキャプションをもう一度見なおしてみてください。
※このような記事やキャプション作りが自社では難しいという方は、お気軽にお問合せください。